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鏡野で味わう冬の火種 姫とうがらしオリジナル加工体験

鏡野で味わう冬の火種 姫とうがらしオリジナル加工体験

山あいの湯けむりが一段と濃くなる季節。 岡山県鏡野町・奥津温泉の道の駅で、指先がほてるような体験が待っている。

道の駅奥津温泉の外観

「食べて3秒、じわっとくる深い辛みが身体を染み渡る」 地元農家がこう表現する姫とうがらしは、国産唐辛子のわずか数パーセントしかない希少品。 鏡野町奥津地域でしか育たない固有種だ。

山岳地帯が生んだ奇跡の辛み

紅葉が渓谷を彩る10月下旬、標高の高い畑では真紅の収穫祭が始まる。 「普通の唐辛子と違って肉厚なんですよ」とNPO法人てっちりこの生産者が教えてくれた。 年間5トンという限られた収穫量、全て契約農家による手作業で摘み取られる。

驚きはその加工法にある。 1月には収穫した唐辛子を40cmの積雪の上に敷き詰める「雪晒し」が行われる。 地元小学生も参加する伝統行事で、雪が余分な塩分を吸収し、まろやかな辛味を育むのだ。

世界に一つの調味料が生まれる場所

道の駅奥津温泉の体験コーナーには、10種類以上の香辛料がずらり。 「マイ七味作り」参加者はスプーン10杯分の材料を自由に組み合わせられる。

「姫とうがらし粉末をベースに、柚子皮・山椒・ごまを絶妙な割合で…」 指導するスタッフの言葉に、初めての来場者は真剣な眼差しで材料を選ぶ。

「青しそを多めに入れると和風に、一味を足せば激辛に まさに自分だけの味が作れるんです」 と体験者(40代・女性)は完成した瓶を嬉しそうに抱える。

マイ七味作りの様子

温もりを運ぶ地域の知恵

「昔から寒さ対策に使われてきたんです」 地元の古老が教えてくれた素朴な活用術。 味噌汁に少量溶かせば体温がみるみる上昇し、冷え性対策にもなるという。

道の駅では姫とうがらしを使った商品が50種類以上販売されている。 中でも「辛美人みそ」は20年の歳月をかけて開発された看板商品だ。

旅の記憶が瓶に詰まる

体験後に訪れたいのが、徒歩5分の奥津渓。 清流にかかる紅葉のトンネルを歩きながら、完成した調味料の活用法を考える。

「帰宅後、作った七味で鍋料理を囲んだら 鏡野の風景が思い出されて温かくなりました」 関西からの旅行者(32歳)の言葉が印象的だった。

オリジナル加工体験は60分1,500円(材料費込)と手頃。 事前予約がおすすめだが、空きがあれば当日参加も可能だ。

完成した調味料の例

冬の鏡野を訪れるなら、この体験なくしては語れない。 自分だけの「辛味のレシピ」を作りに、 奥津の温泉街で身体も心も温まってはいかがだろうか。

※体験実施場所:道の駅奥津温泉ふるさと物産館 岡山県苫田郡鏡野町竹田66 営業時間:9:00~17:00 定休日:火曜

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