column

枝もので四季を味わう、黒滝村の新暮らし

枝もので四季を味わう、黒滝村の新暮らし

黒滝村の山々に朝陽が差し込むと、林間の小径は静かに葉のさざめきとともに目覚める。

そこでは、普段は「下草刈り」として刈り取られてしまうアセビやミツバツツジの枝が、ふと目に留まる。枝一つに宿る四季の気配――春の柔らかな芽吹き、夏の濃い緑、秋の紅葉、冬の静かな枯れ枝――を見ていると、思わず手に取りたくなる。

黒滝村の森の中で光を浴びるアセビの枝

このように、森の「廃材」に新たな価値を見出そうと立ち上がったのが、黒滝村森林組合の的場さんだ。インタビューで彼は「杉やヒノキだけが林業の収入ではない。森の中に眠るちょっとした枝でも、誰かの暮らしに彩りを与えられるなら、それを仕事にしたい」と語る。的場さんは毎週、組合の仲間とともに山に入り、SiKiTOが定める品質基準に合うアセビを選び出す。

黒滝村森林組合の的場さんが枝を選定する風景

SiKiTOの枝もの定期便は、そんな現場から直接届けられる。noteの解説記事によると、花屋では手に入りにくい大ぶりで新鮮な枝を、市場から自宅へ届けるサブスクリプションサービスだ。利用者は「季節の移ろいを感じられる」と評価し、解約も自由な点が安心材料となっている。実際、トリニスのプレスリリースによれば、ECサイト会員数は2万人を超え、枝もの定期便のユーザー数は1年間で倍増、出荷本数は累計20万本を超える。

廃棄されていたアセビの切り枝が箱に詰められる様子

さらに注目したいのは、届けられた枝を活かすために開発された花器だ。3rd‑in.co.jpの記事で紹介されているこの器は、大きな枝ものでも安定して生けられ、水替えが簡単になるよう工夫されている。デザイナーは「枝ものを日常に取り入れやすくする」ことをコンセプトに、素材選びから形状まで徹底的に詰めた。この花器があることで、定期便の枝は単なる装飾ではなく、生活の中心に季節のリズムをもたらす。

SiKiTOが提案する四季を感じる花器

こうして、かつては廃棄されていた枝が、森林組合の新たな収入源となり、都市部の暮らしに四季を届けるサイクルが生まれた。黒滝村は村面積の約97%を林野が占める「森林の村」であり、この取り組みは地域資源の循環利用という観点でも注目に値する。

黒滝村森林組合のお知らせページ

今週末は、ぜひ黒滝村の森へ足を運んでみてはいかがだろうか。山道を歩きながら、目の前に広がる枝の表情を観察し、その後SiKiTOの枝もの定期便を試してみれば、四季の移ろいを手のひらで感じることができる。枝一つから始まる小さな習慣が、あなたの暮らしに新たな彩りを加えてくれるはずだ。

この地域のビジネスデータを見る

📍 黒滝村の開業ガイドへ