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泰阜村 山村留学 四季を抱く1年の物語

泰阜村 山村留学 四季を抱く1年の物語

都会の喧騒を離れ、雪解けの川辺で目を覚ます――そんな一年は可能か? 長野県泰阜村では、30年前から続く山村留学が都市部の子どもたちにまさにそんな体験を提供している。

まずは「暮らしの学校だいだらぼっち」へ

村の中心部から少し離れた山間にある「暮らしの学校だいだらぼっち」は、築年数を感じさせない木造の施設だ。ここでは留学生は自分たちで薪を割り、井戸水を汲み、季節の野菜を畑で育てながら生活する。

だいだらぼっちの外観

ある春の朝、16人の小中学生が役場に集合し、横前明村長に抱負を語った。「田んぼでの稲作を体験し、秋には自分たちが育てた米でおにぎりを作りたい」と話すのは、東京から来た中学2年生の佐藤くん。彼の言葉に村長は笑顔で頷き、「四季を感じながら、村の子として成長してほしい」と応えた。

30年の歴史が育む「関係人口」

泰阜村の山村留学は、単なる体験プログラムではない。1990年代にスタートしたこの取り組みは、子ども時代に楽しい思い出を作ることで、大人になっても「ふるさと」として戻ってくる仕組みを狙っている。総務省の関係人口づくりに関するPDFでも紹介されているように、留学経験者は村のイベントに積極的に参加し、地域の伝統技術やマナーを学びながら、自然と村への愛着を深めていく。

村民インタビューの様子

実際に、やすおか村民100人インタビューに登場した大原理彩子さんは「子ども時代にだいだらぼっちで過ごした冬の雪かきが、今でも私の心の拠り所だ」と語る。こうした声が積み重なり、村は「ふるさと思いやり基金条例」を全国で初めて制定し、学校美術館の修復や在宅福祉の維持に活用している。

四季ごとの学びと課題

春は田植え、夏は川遊びと草刈り、秋は稲刈りと収穫祭、冬は雪囲いと薪ストーブの火守り。それぞれの季節に合わせて、留学生は村の行事や結い作業に必ず参加する。これにより、単なる観光ではなく、地域の暮らしに根ざした知恵を身につけることができる。

ある冬の夜、留学生たちは薪ストーブを囲みながら、古老から「山の神様への感謝の言葉」を教わった。その言葉を胸に、翌朝には自分たちで雪道を除き、村の高齢者宅へ食料を届けた。その姿を見た村人は、「やっぱり子どもたちの力は村の未来だ」と目を潤ませた。

卒業生の声と未来へのつながり

現在、山村留学の卒業生は300人を超える。彼らの多くは、大学進学後も村のイベントにボランティアとして参加し、時にUターン移住を選ぶ。聖徳大学の研究では、留学経験が「関係を生きる力」を育む重要な要因であると指摘されている。つまり、自然と向き合う不便さの中で生じる課題を乗り越える過程で、協調性や問題解決力が自然と養われるのだ。

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最後に、これから山村留学を考えている都市の家族へ。泰阜村の四季は、単なる景色以上の学びの場だ。今週末はぜひ、村のホームページや「だいだらぼっち」のサイトを覗いてみてほしい。そこには、雪解けの川音とともに、新たな自分と出会える準備が整っている。

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