糖度20度!新郷村の宝石『郷のきみ』驚異の甘さを探る
朝靄の中、黄金色に輝くトウモロコシ畑。 お盆を過ぎてもひんやりとした新郷村の朝空気が、甘美な香りを運んでくる。 「見てください、この水分量!」――生産者の中平将義さんが刈り取ったばかりの『郷のきみ』の皮をむくと、まさに滝のような水滴がこぼれ落ちた。
大自然の贈り物が育む奇跡
「昼夜の寒暖差があるから甘いのはどこの高原作物も同じ。でも新郷の秘密は水にあるんです」
中平さんの言葉通り、標高400mの盆地に位置する新郷村は戸来岳からの雪解け水が豊富だ。
昼は30℃近くまで気温が上がるが、夜間は15℃以下に。この激しい温度差が光合成で作られた糖分を閉じ込め、清冽な水が実にみずみずしさを宿す。
トウモロコシの概念を覆す味わい
真鍮色の粒にかぶりついた瞬間、口の中で甘い果汁が炸裂する。
「糖度20度を超える年もあります」と生産者団体『新郷村郷のきみの会』の滝沢和雄会長。
通常のトウモロコシの糖度が12度前後とされる中、20度はメロン並みの甘さだ。
道の駅で購入したばかりの生の実をそのままかじったブロガーは「フルーツみたい」と絶賛。
ゆでると糖度がさらに増し、濃厚な甘みが舌の上でとろけるという。
影の努力が生む極上品質
午前4時。 夜明け前の畑ではヘッドライムを付けた生産者たちが黙々と収穫作業を行う。 「太陽が昇ると糖度が低下するんです」 中平さんたちは夜明けと共に全神経を集中させる。 1株に複数実るトウモロコシのうち、最も栄養が行き渡った最上部1本だけを収穫する徹底ぶり。
村を挙げてのブランド戦略
「過去最多の7万本を目指して」
4軒の農家で結成した生産者会は収穫量拡大に挑む。
糖度計での計測、厳格なサイズ選別など、「超プレミアムトウモロコシ」としての地位を確立中だ。
収穫時期が8月下旬からわずか3週間と短いからこそ、地元道の駅では毎朝行列ができる人気ぶり。
濃厚な甘みとみずみずしさが織りなす奇跡のハーモニー。 新郷村の清らかな水と生産者の情熱が生んだ『郷のきみ』は、まさに北東北が誇る夏の宝石だ。 今週末は新郷村へ――山あいの極甘ファンタジーをご賞味あれ。