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7票差の村長と『やまびこ』 風通しの先にあるもの

7票差の村長と『やまびこ』 風通しの先にあるもの

四万十川の清流が田畑を潤す高知県三原村。春先の朝、集落活動センター『やまびこ』の前では、地元の婦人グループが収穫した野菜を並べ、朝市が開かれる。桜の花びらが風に舞う中、『水源のしずく』と銘打った三原米の袋が、そっと日の光を浴びていた。あの時、村長選挙を7票差で制した武内則男氏が一楼『風通しの良い村政』を掲げて首長の座についたのは、ちょうど1年前のことだ。

『やまびこ』は、単なる施設ではない。平成26年(2014年)、高齢化と過疎が進む村全体を包括する"社会的インフラ"として生まれた。資料には『生活、福祉、産業の総合的な取り組み』とある。具体的には? コンセプトは『村に住み続けたい』を実現する手段だ。コインランドリー(24時間営業)は買い物弱者対策。日替わりランチの『やまびこカフェ』は孤独防止。さらに、村の誇り『三原米』のブランド化は、農家が中心となった『三原村ブランド研究会』(令和元年設立)と連動。低農薬の特別栽培米『水源のしずく』は、土壌調査から品質管理まで『やまびこ』の生産部が深く関わり、山形・香川への視察でマーケティングを学んだ。その結果、農林水産大臣賞(資料15のPDF)を受けるほどの実績だ。

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しかし、その存在と使命が、新政権下でどう評価されるか。武内村长は初登庁の会見で『風通し』を強調した(資料2)。あの7票差の接戦が示すのは、村民の間にも『変化への期待』と『既存秩序への警戒』が混在する現実だ。『やまびこ』は、これまで村民間の『相互扶助』を基盤に成長してきた。それは、村長選の争点に『上がらなかったブラックボックス』でもある。新政権が『風通し』を掲げるなら、既存の『やまびこ』のような成果を上げる組織との連携・統合の戦略が問われる。

実際、『やまびこ』の活動は多岐にわたる。夏の盆踊りと打ち上げ花火(資料6,8)、冬の高齢者向け講座、フォトコンテスト、レンタサイクルによる観光振興。それらは『四季折々の行事』として村民の生活に根を張る(資料1,4,10)。一方、地域支援企画員の報告(資料5)には、『村全体を包括する仕組みづくり』という表現がある。これは、個別のイベントを超え、村の制度設計に関わる意図だ。例えば、三原米の販路拡大は、若い担い手の農村定住と直結する。

では、『風通しの良い村政』と『やまびこ』の関係はどうなるか。村民の一人(仮称・Aさん、70代)の声を想像してみよう。『昔から『やまびこ』のおかげで、高齢者もイベントに参加できた。村長が変わっても、それが続くことを願う』。この素朴な期待を新政権はどう応えるか。ポイントは、『やまびこ』の活動が、村政の『外包先』なのか、それとも『協働パートナー』なのかだ。資料4には『地域の特産品の販売促進や観光振興などを更に強化』とある。これは、村の産業政策と『やまびこ』の事業が重なる領域だ。

今、三原村は人口減少と高齢化という構造的課題に直面する(資料2,4)。新村長の任期は4年。その間、『風通し』の本質が問われる。それは単なる行政情報公開ではなく、『やまびこ』のような民間活力をどう政策に組み込み、持続可能な村の形を共に描けるか、という実践だ。『三原米』の土壌改良に情熱を注ぐ農家も、カフェでランチをふるまう女性グループも、全てが『村の仕組み』の一部であることを、新政権は認識する必要がある。

最後に、秋の収穫祭が近づく。『やまびこ』の広場では、白い飯盒が並び、新米の炊きあがる匂いが漂う。武内村长がその現場を訪れ、農家と語り合う場面を想像する。7票差の小さな村の民主主義が、既存の絆を『改革』するのではなく、『深化』させる道を選ぶことを願わずにはいられない。

今週末、四万十川のほとりで開かれる収穫祭へ。あなたも『やまびこ』の灯りに、この小さな村の大きな挑戦を見にいかないか。

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