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春を告げる白銀の群れ – 佐伯・シロウオ漁が紡ぐ江戸からの物語

春を告げる白銀の群れ – 佐伯・シロウオ漁が紡ぐ江戸からの物語

2月の冷たさがまだ肌を刺す朝、大分県佐伯市の番匠川支流・中江川では、静かに春の訪れを告げる光景が広がる。川面に浮かぶ竹製の『やな』——その长达13メートルに及ぶ竹垣が、流れをせき止め、一方で三角網を手にした漁師たちが船を漕ぎ出す。目を凝らせば、体長5センチほどの小さな魚の群れが、産卵のために遡上してくる。そう、これが佐伯の春の風物詩『シロウオ漁』だ。江戸時代から続く伝統漁法は、今もって川と人間の深いつながりを映し出している。

追加取材で訪れた中江川では、2月18日の早朝、番匠川漁業協同組合の組合員7人が2人1組となり、満ち潮に合わせて漁に臨んでいた。彼らは『やな』でシロウオの群れを誘導し、三角の網で丁寧にすくい取る。この日一日で獲れたシロウオは約300グラム、数えて約300匹。渔師の一人が言う。「今までは1人でやっていたけど、私達はなれないので2人でやらないと漁がまだできない状態ですね。今後も量が増えるように努力しながらこの風物詩を後世に残していきたい」。この言葉に、高齢化が進む漁業界で伝統を守る彼らの zullenZr がにじむ。

シロウオは普段、沿岸の浅い海に生息するが、早春に産卵のため河川を遡上することから『春告げ魚』とも呼ばれる。佐伯市の中江川では、毎年2月1日に漁が解禁され、3月末まで続く。渔法は、川岸から流れをせき止めるように竹で組んだ『やな』を設置し、箱船に乗った漁師が三角網で群れを引き揚げるという、かつてのままの方法だ。読売新聞の報道によれば、今年は少雨の影響で川底の沈殿物が多く水の透明度が低く、昨年より漁獲量が少なく、遡上時期も遅れているという。数十年前は盛んであったが、近年は漁師の減少と高齢化で存続が危ぶまれてきた。それでも、番匠川漁協が中心となり、伝統技術の継承に努めている。河村俊彦組合長は「春告げ魚っていうんですかね。佐伯市の春の風物詩庫の漁法を守っていきたいと思います」と語る。

この伝統は、単なる過去の遺産ではない。佐伯市では、シロウオを地域資源として活用する動きが広がっている。 PranTimesの報道にあるように、市内の飲食店26店舗が参加する『佐伯アイゴウィーク』が開催され、シロウオを使った料理が提供される。また、大分合同新聞が報じた大学生による地域ブランド創造体験では、本匠地域の活性化にシロウオ漁がどう結びつくかが議論されている。自然と人間の営みが、現代の地域経済にも息づいているのだ。

画像で見るシロウオ漁の一幕は、なぜか心を打つ。シロウオ漁の様子 竹のやなと川面、そして漁師の慎重な手つき。漁に臨む漁師たち 満ち潮を待ち、网を手に船を漕ぐ姿勢は、数百年変わらないのかもしれない。中江川の風景 透明度の低い川面には、沈殿物が映え、漁の難しさを物語る。

春の使者として、シロウオは佐伯の川に生命のリレーをもたらす。その小さな体が、海から川へと旅をし、やがて産卵を終える。それを丁寧に渔う人々の姿は、自然の循環への敬意に満ちる。高齢化という課題はあるが、それでも漁協が技術を伝承し、若い渔民も加わりつつある。大学生の地域ブランド創造体験のように、若い世代がこの風物詩に新たな光を当てようとしている。

佐伯の春は、シロウオ漁から始まる。もしこの季節に大分を訪れるなら、ぜひ中江川のほとりに足を運んでみてほしい。朝靄に包まれた川で、竹のやなが光り、漁師たちが船を漕ぐ姿は、タイムスリップしたような感覚を与える。その後に、地元の料理店で揚げたてのシロウオを味わえば、春の味わいを五感で感じられるだろう。自然と人間が織りなすこの物語は、これからも佐伯の春を彩り続けるはずだ。

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