小さな村に咲く大輪の花:とびしマルシェが紡ぐ地域の絆
名古屋港に浮かぶ、人口約1万5千人の小さな島——飛島村。この静かな村に、春の訪れとともに一斉に活気が満ちる光景がある。『とびしマルシェ』だ。屋外に広がる80を超える店舗の偎めに、地元の旬が香り、遠く被災地 amenityな 輪島市の復興への願いも重なる。一体なぜ、こんな小さな村でこれほどの規模のマルシェが生まれ、そして育ったのか。追加取材を通じて、その魅力を深掘りする。
春の風に乗って、規模は拡大し続ける
とびしマルシェは、飛島村の魅力を村内外へ発信することを目的に、令和3年に第1回が開催されて以来、毎年春に定着。第3回(令和5年)では4年ぶりの開催となったが、それでも多くの来場者が集まった(ブログ記事より)。そして第5回(令和7年)には村内外から80店が出店、第6回(令和8年)は約90店舗へとさらに拡大している。人口比で考えれば、驚異的な密度だ。なぜなら、飛島村の人口は約1万5千人。つまり、村全体が丸ごとマルシェ会場に変貌するような活気なのだ。
第3回とびしマルシェの様子。多くの人でにぎわう会場(ブログ『yutaka-1717』より引用)
地産地消の宝石箱:出店者の多様性
追加取材で得た第6回出店者リストを見ると、その多様性に目を奪われる。飛島村花き生産出荷組合の切り花、飛島村産直市の野菜、海部地域の干物、三重県や岐阜県からの食品……。名古屋港に近い立地を活かし、海の幸・山の幸が一堂に会する。さらに、キッチンカーやワークショップもあり、食べる・買う・体験するの三位一体が楽しめる。
ちゃぶんさんのブログでは、小学生低学年の女の子が多く参加し、ハンコ押しのワークショップで kids が夢中になる様子が伝わる。また、フォトスポットも登場し、SNS映えする写真を求める若者たちも増加中だ。
ワークショップの様子。子どもも楽しめるコンテンツが多数(ブログ『ちゃぶん』より引用)
被災地・輪島市との絆:マルシェがつなぐ横向きの支え
最大の意外性は、友好自治体である石川県輪島市との連携だ。2024年の能登半島地震と奥能登豪雨で大きな被害を受けた輪島市。第5回とびしマルシェでは、輪島塗の展示即売会や和太鼓演奏、輪島ふぐの唐揚げ無料配布が行われ、第6回も輪島市の特産品(干物・漆器・乾物・塩辛など)を扱う店舗が出店予定(Straight Press より)。単なる物産展ではなく、復興への願いを込めた交流の場となっている。
輪島市の特産品が並ぶ様子。復興支援の想いが込められる(PR TIMES より引用)
厚生労働副大臣のブログでは、輪島市からも含めて80もの出店があり、雨にもかかわらず盛況だったと報告されている。小さな村のマルシェが、被災地との心の架け橋になる——これこそが、地域性を超えた深い絆の表れではないか。
環境とアクセス:持続可能なまちづくりの視点
飛島村観光交流協会は、駐車場混雑を緩和するため、公共交通機関の利用を呼びかけ、飛島公共交通バス蟹江線を「バス感謝デー」として終日無料運行。臨時便も走らせる(公式HPより)。これは、単なるイベントではなく、環境負荷を減らし、地域の交通ネットワークを強化する持続可能な取り組みの一環だ。来場者には「乗り合わせでのご来場」を促すメッセージも、効果的な啓発と言えよう。
愛される理由:地域の「旬」と「人」が集う場所
とびしマルシェの魅力は、何と言っても「季節感」だ。春の新鮮な野菜、夏の海産物、秋の実り……。各回ごとに、飛島村の農産物・海産物が中心となり、地元事業者の顔が見える。例として、日光橋食堂のような地元飲食店も出店し、実家の味を振る舞う(ブログ『yutaka-1717』より)。
公式ホームページの告知画像。季節ごとの開催がうかがえる
人口減少が進む中で、とびしマルシェは「外から人を呼び込む」だけでなく、「内から人を繋ぐ」役割も果たしている。出店者同士のネットワーク、来場者との対話、輪島市との協力——すべてが、小さな村の大きな可能性を感じさせる。
次回はいつ? あなたもこの輪の中へ
第6回とびしマルシェは令和8年3月22日に開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。次回は秋? それとも春? 正確な日程は飛島村観光交流協会の公式情報を待つとして、この体験は一度は味わう価値がある。
小さな村がʻʻ与えるʻʻ大きな感動。それは、獲れたての食材の味ではなく、そこで交わされる笑顔と、誰かを想う優しさだ。名古屋港から船で行く? それともバスで? 乗り合わせて、とびしマルシェへ向かおう。きっと、あなたもこの輪の一部になるはずだ。
次回のとびしマルシェ詳細は、公式サイトでご確認ください。