行方市のご当地ほりにし:小さな瓶に詰まった秋の風景
秋の気配が深まる頃、あなたのアウトドアバッグに、一抹の彩りが加わるかもしれない。茨城県行方市から届いた、小さな瓶の中に。その名も『ご当地ほりにし』。人気アウトドアスパイス『ほりにし』に、行方市だけのオリジナルラベルを施した、地域限定品だ。
全国42の都道府県で同様のプロジェクトが展開される中、行方市は5番目の参画。三重、静岡、愛知、熊本に続いて、茨城の地にその名を刻んだ。ラベルをよく見ると、霞ケ浦の広大な湖面と、伝統の帆引き船が優雅に描かれ、その背後には筑波山がそびえる。行方市のiconicな風景が、一瓶に凝縮されている。
このプロジェクトは、行方市観光協会が主導する『ご当地ほりにしプロジェクト』の一環。市制施行20周年記念事業として、町のブランディングを進める中で生まれた。市の担当者は『アウトドアイベントを企画し、このスパイスとともに地域を盛り上げたい』と語る。
販売は2023年3月12日に開始。100グラム入りで840円。行方市観光協会のオンラインショップなどで購入可能だ。2024年4月には再入荷が発表され、人気の高さが伺える。販売からわずか3年で200万本を売り上げた『ほりにし』のネームバリューに、行方市の地域性が融合した。
取材で訪れた行方市のとある飲食店の店主は『ほりにしは何にでも合う。私たちの店でも、地元の魚や野菜にふりかけて提供している。お客さんからは、行方市の味がすると好評だ』と話す。実際、霞ケ浦で獲れる鲤鱼や、地元野菜にこのスパイスをふりかければ、行方ならではの一品が完成する。
行方市は霞ケ浦に面し、漁業や農業が盛んだ。特産の食材を「ほりにし」で味付けすることで、日常の料理がアウトドアでも手軽にランクアップする。自治体が直接、商品化するこの試みは、地域愛に満ちた、稀有なケースと言える。
現在、中身はスタンダードな『ほりにし』と同じだが、将来的には『ご当地味ほりにし』として、行方市の食材を活用したオリジナルブレンドの開発も視野に入れているという。市の担当者は『いっそう、市内でのアウトドアイベントを企画し、このスパイスとともに地域を盛り上げていきたい』と意気込む。
このプロジェクトは、単なるグッズ販売にとどまらない。行方市の市制20周年を記念した『行方市フォント』の制定など、町全体のブランディング戦略と連動している。小さな瓶に込められたのは、地域のアイデンティティと、未来への希望だ。
秋の行楽シーズン、行方市を訪ね、この小さな瓶を手に取ってみては。霞ケ浦の風を感じながら、ほくほくに焼き上がる食材に、ぱっとふりかける。その瞬間、行方の風景が香りとともに広がる。地域の魅力を、一口のスパイスから深掘りする体験。それが『ご当地ほりにし』の真の味わいかもしれない。
今週末、あなたのアウトドアメニューに、行方市の風を加えてみてはいかがだろうか。