海老名の新蕎麦ヌーボー 香りと物語が紡ぐ春の食体験
海老名市の中心部、海老名駅直結のビルに佇む『2343DEPARTMENT』で、春の訪れを告げる特別なメニューが期間限定で展開されている。その名も『香る新蕎麦ヌーボー』。『新蕎麦』は聞き慣れても、『ヌーボー』という言葉に、ワインの「ヌーボー」を重ねた coincidence が、まず好奇心をくすぐる。一体どんな香りがするのか? 実際に取材を重ねて見えてきたのは、単なる旬の食材ではなく、畑から食卓までをスタッフが共に歩んだ、深い物語だった。
追加取材で浮かび上がったのは、この新蕎麦が隣接する厚木市の『厚木いいはちみつ』さんの畑から届いているという事実だ。毎年、収穫の時期になると、2343DEPARTMENTのスタッフ自らが畑に足を運び、刈り入れに参加するという。『自分たちが提供する食材が、どんな環境で育ち、どんな手間を経てお店に届くのか。それを知ることは、料理をつくるうえで大切な学び』と、シェフは語る。乾燥を経て粉になり、一皿の料理へ。そんなストーリーを思い浮かべながら味わうと、ひと口ごとの印象も、きっと違って感じられるに違いない。
では、その『香り』とは何か。新鮮な新蕎麦粉は、通常の蕎麦粉とは一線を画す。第一に香りが豊かだ。穀物本来のやさしい甘さが広がり、喉ごしの後にほのかに残る دستگاه の香りは、まさに“生まれたて”の証。この香りを存分に味わえるよう、2343DEPARTMENTでは前菜からデザートまで、新蕎麦を主役に据えたコースを用意している。『ヌーボープレミアムコース』(税込3,960円)では、フランス産オーガニックシードル(アルコールまたはノンアルコール)にはじまり、蕎麦のスープ、海老名の有機グリル野菜に蕎麦米ソースをかけた一品など、新蕎麦の多彩な表情を引き出している。特に、蕎麦のスープは、新蕎麦粉の風味をじっくりと感じられる一杯で、体の芯から温まる。
この取り組みの背景には、海老名市ならではの地域性が光る。2343DEPARTMENTは、海老名市の『2343』という地名(海老名市の郵便番号の一部)を名前に冠し、地元・厚木や海老名の食材を積極的に活用するレストランとして知られる。ガレットやクレープも人気で、厚木産無農薬全粒粉ブレンドのオリジナル小麦粉を使用。食を通じて地域とのつながりを大切にしている点が、この『新蕎麦ヌーボー』にも通底する。実際、SNSでは『ワインのようで面白い』『香りが強くて美味い』といった声が上がり、食通の関水れなさんも訪れるなど、話題を呼んでいる。
時期的な制約も大きな魅力だ。提供期間は2026年2月20日から3月1日までと、まさに今だけの限定体験。新蕎麦は収穫直後の新鮮さが命で、通常の蕎麦とは別物の香りと食感を楽しめる。海老名市の食文化を深掘りするなら、この時期を逃さない手はない。予約は公式サイトや食べログから可能で、週末は特に混み合うので早めの計画がおすすめだ。海老名駅から徒歩すぐというアクセスの良さも、気軽に立ち寄れるポイントだ。
最後に、この『香る新蕎麦ヌーボー』が教えてくれるのは、食の背景にあるStoryの大切さだ。畑の土の香り、収穫する人の笑顔、料理人のこだわり——すべてが一皿に凝縮され、食べる人の記憶に刻まれる。海老名市が持つ农业と商業の融合を、味わいながら感じ取れる稀有な機会。春の訪れを、香り高い蕎麦とともに体感してみてはどうか。今週末、海老名の街に足を運び、この期間限定の食体験を楽しんでみる価値は、大いにある。
【取材協力】2343DEPARTMENT(海老名市中央2-4-3 海老名駅前ビル2F)
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