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通信企業と紡ぐ防災の絆:亘理町合同訓練の挑戦

通信企業と紡ぐ防災の絆:亘理町合同訓練の挑戦

もし、突然の大地震でスマホの電波が途絶え、家族との連絡が取れなくなったら——。その恐怖を、亘理町は「合同防災訓練」で少しずつ変えようとしている。通信企業と自治体が手を組み、デジタル時代の防災協力モデルを模索する現場を、追加取材で深掘りした。

震災の記憶が刻んだ「通信の重要性」

亘理町は、2011年の東日本大震災で津波の襲撃を受け、多くの命と「まちの記憶」を奪われた。追加取材で浮かび上がったのは、過去の災害が通信の果たす役割を根本から変えた点だ。2019年の台風19号や2022年の東北豪雨でも、孤立集落における通信途絶が復旧の妨げになった。NTT東日本宮城事業部の滝澤正宏執行役員は、「被災地では、情報が命を分けた。『指定公共機関』として、自治体と一体で通信を守る責務を痛感した」と語る。

延焼防止訓練の様子

全国初!「事業者の垣根を越えた」電源供給訓練

2022年11月9日、亘理町で開催された令和4年度合同防災実働訓練。約150人が参加し、NTT東日本グループに加え、携帯電話事業者4社、東北総合通信局が一堂に会した。最大の注目は、全国初となる「事業者間電源供給訓練」だ。大地震で広域停電が発生した想定で、移動基地局に他社の電源車から電力供給を行う演练が行われた。

取材で見つけた驚くべきエピソードがある。訓練では、各社の機器が互換性を持つわけではなく、物理的な接続に-creativeな工夫が必要だったという。ある技術者は、「普段はライバル同士が、災害時には『電源プラグ』一つでつながる。このシビアな連携が、被災地の情報網を支える」と熱く語った。

移動基地局と電源車の接続訓練

毎年9月が「防災DXの実証実験場」に

合同訓練は単発で終わらない。2023年7月、亘理町とNTT東日本は「防災DXの活用検討を含めた災害レジリエンス強化連携協定」を締結。毎年9月の亘理町総合防災訓練を、最新技術の実証実験の場と位置づけた。具体的には、避難所へのWi-Fi設置を想定し、衛星通信機「スターリンク」を用いた設営訓練も実施。PDF資料によれば、2025年度の訓練では、より高度なデータ活用による避難所運営の効率化も検討される。

亘理町の山田周伸町長は、「デジタル化は『rizzoli(強靭さ)』の鍵。住民が安心して暮らせるまちにするため、NTTの技術と地域の絋を融合させる」と強調する。

共助のモデルが拓く「地域資産価値」の向上

この合同訓練のユニークさは、「共助」の形を具体的に提示している点だ。単なる訓練ではなく、自治体が指定公共機関と定期的にシナリオを共有し、技術的・人的な連携を深化させるプロセスそのものが、防災文化を醸成する。

NTTグループと亘理町の協定締結

取材先の東北総合通信局は「大規模災害時の通信確保は、単一事業者では限界。合同訓練は、全国でも先駆的な『相互依存』の実証」と評価する。実際、訓練では県災害対策本部に通信事業者リエゾンを配置し、自治体との情報連絡調整も訓練。これにより、実際の災害時に混乱を防ぐねらいだ。

読者へのアクション:あなたのまちでも始められる「合同防災」

亘理町の取り組みは、デジタル時代の防災の新たな标准を提示している。単なる技術導入ではなく、「人間同士の信頼」と「技術の相互補完」を組み合わせた点が画期的だ。

もし、あなたが防災に興味を持ったなら——。今年の9月、亘理町の総合防災訓練を見学してみては。通信企業の車両が並び、技術者と町職員が真剣な眼差しで演练する光景は、未来の防災像を具体的に映し出す。デジタル化が進む世界で、災害に強いまちづくりの核心は、結局「人と人、組織と组织のつながり」にあるのだと、この訓練は教えてくれる。

参考資料: 亘理町とNTT東日本の防災DX連携協定詳細はこちらから。

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