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市川右團次が唸った「出汁寿司」の秘密 堀切の漫才夫婦が守る80年の味

市川右團次が唸った「出汁寿司」の秘密 堀切の漫才夫婦が守る80年の味

昭和22年創業。葛飾区堀切の商店街を抜けた先にひっそりと佇む「二幸寿司」は、長い歴史を刻む町の寿司店だ。しかしその扉を開けると、そこには木のカウンターがピカピカに磨かれ、清潔感あふれる空間が広がる。奇をてらった飾りもなく、ただひたすらに「おいしい寿司」を提供することに徹した店内は、訪れた誰もが自然と肩の力を抜けるような居心地の良さを醸し出している。

漫才夫婦が紡ぐ80年の物語

この店を切り盛りするのは、77歳の大将と同じく77歳の女将。二人は小学生時代からの同級生で、夫婦となって今も二人三脚で暖簾を守り続けている。地元では「堀切の漫才夫婦」として親しまれ、その温かい人柄と絶妙な掛け合いは、常連客をはじめとする多くの人々を惹きつけている。

「高けりゃイイってもんじゃない」。大将の口癖は、この店の哲学を端的に表している。派手さはないが、しっかりと美味い。その信念のもと、大将はシャリの温度管理と酢の調合にまでこだわり抜いた「出汁寿司」を追求し続けている。

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市川右團次が訪れた理由

歌舞伎俳優・市川右團次がこの店を訪れたのは、BSテレ東の番組「今宵、町寿司で 市川右團次と小粋な一献」でのロケだった。市川は「役者にならなかったら、寿司屋になりたかった」と語るほどの寿司好き。町の寿司店を巡りながら、地元の人々に支えられ、町とともに生きてきた「町寿司」の魅力を紐解いていくのがこの番組のコンセプトだ。

堀切天祖神社で参拝を済ませた市川は、商店街を抜けた先にある「二幸寿司」へ。「失礼いたしまーす」と丁寧にあいさつしながら店内へ入り、大将と女将に「市川右團次と申します」と挨拶して着席した。

出汁寿司に唸る瞬間

初めて聞く「出汁寿司」というワードに興味をそそられた市川。大将が提供したのは、日替わりのお通し三種と日本酒から始まるコースだった。香ばしく炙った穴子や中トロ、イカのやさしい甘み…。一口ごとに吟味されたネタの数々に、市川も思わず唸る。

「このシャリの温度、絶妙ですね」。市川が感嘆するのも無理はない。大将は、その日の気温や湿度、ネタの状態を見極めながら、絶妙なシャリの温度を保つことにこだわっている。また、酢の調合にも工夫を重ね、ネタの旨味を最大限に引き出すバランスを追求している。

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町とともにある寿司店の未来

「人との出会いを楽しみにしております」。市川は町寿司のロケを通じての出会いを一番に思い描いたと語る。この言葉は、二幸寿司の存在そのものを象徴している。大将と女将が紡ぐ人情物語は、この店を訪れるすべての人の心に刻まれる。

これからも、二幸寿司は町とともに歩み続けるだろう。大将と女将の笑顔と、絶品の出汁寿司が、これからも多くの人々を魅了し続けることだろう。

お店情報

【二幸寿司】 住所:東京都葛飾区堀切 電話番号:非公開 営業時間:11:30〜13:30、17:00〜21:00(不定休) アクセス:堀切駅から徒歩10分

※予約は受け付けていません。直接店舗へお越しください。

「高けりゃイイってもんじゃない」。その言葉通り、二幸寿司は派手さはないが、確かな味と温かい人情が息づく、まさに町の宝物のような存在だ。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがだろうか。

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