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田原の食堂に笑顔が集う 〜くしもと地域食堂プロジェクトの輪

田原の食堂に笑顔が集う 〜くしもと地域食堂プロジェクトの輪

あの日、田原の山村交流センターは、笑い声と食器の音で満ちていた。

「いただきます!」

子どもからお年寄りまで、約80人の声が重なり、地域食堂の始まりを告げた。串本町田原で1月に開催された「みんなでつくる!くしもと地域食堂プロジェクトin田原」。潮岬に続く第二弾は、田原の人々にとって特別な一日となった。

「この日を待っていました」

80歳の佐藤さんは、車椅子を押しながら参加した。「一人暮らしで、なかなか人と話す機会がないんです。ここなら誰とでも気軽に話せる」

会場の田原山村交流センターは、地域に根ざした温かみのある場所。木のぬくもりが感じられる広間に、長いテーブルが並べられ、家族や友人、近所の人々が顔を合わせた。

「田原の食材をたっぷり使いました」

主催した串本町地域おこし協力隊の伊藤さんが、メニューを紹介する。「白米は立野さんのお米、にんじんは山中畑さんのもの。なんたん蜜姫という地元のサツマイモも入っています」

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町食生活改善推進協議会のメンバーが中心となって調理した料理は、どれも優しい味わい。子どもたちはおかわりを繰り返し、お年寄りは「懐かしい味」と目を細めた。

「地域食堂は食事だけじゃないんです」

串本町地域おこし協力隊の公式Instagramには、そんなメッセージが綴られている。「同じ食卓を囲むことで、世代や立場を超えたつながりが生まれます。顔を合わせ、語り合い、支え合うきっかけづくりの場として企画しました」

実際、この日は食事以外にも企画が盛りだくさんだった。「いただきます2」という食育系の映画上映からスタートし、その後はゲームやおしゃべりタイム。参加者は笑顔で交流を深めた。

「田原だけじゃない、串本全体の話題です」

串本町の食堂事情に詳しい地元の食通、山下さんは語る。「田原の地域食堂は素晴らしいけど、串本町全体を見ると、美味しい食堂がたくさんあるんですよ」

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食べログによると、東牟婁郡串本町にはおすすめの美味しい食堂がずらり。定食から海鮮丼まで、バラエティ豊かなメニューが楽しめる。「昔から愛された名店もありますよ」

山下さんが教えてくれたのは、かつて串本駅前にあった「ゆりかご食堂」。地元の方々に愛された庶民派食堂で、地元らしい鯨やマグロのメニューが豊富だったという。「お値段の安さも魅力でした。閉店してしまって残念ですが、あの味を覚えている人は今でも多いんです」

串本町の食文化を語る上で欠かせないのは、やはり海の幸。「串本・古座川のおすすめ人気定食・食堂TOP9」によると、本州最南端の黒潮の海で育った魚を使ったメニューが人気だ。

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「イセエビ天丼は絶品ですよ」

海釣り公園に併設されたレストランのイセエビ天丼は、頭から尻尾まで豪快にまるごと一尾入った天丼。「ぷりっぷりの甘い身で、すごく美味しい。頭の方に詰まっている味噌もたまらないですね」

地域食堂の取り組みは、串本町の長期総合計画にも掲げられている。「住民と行政が共に協力しながら、総合的に進めていく町づくりの指針」として、住民同士のつながりを深めることが重視されているのだ。

「地域食堂は、地域住民の交流の場であり、子どもだけでなく、障がい者や高齢者、生活困窓者、ひきこもりがちな人など、様々な人が食事などを通して、互いに助け合いながら活動しています」

マイ広報紙の記事にもあるように、地域食堂の意義は大きい。単なる食事の場ではなく、地域のつながりや助け合いの意識を育む場として機能しているのだ。

この日、田原の地域食堂に集まった80人は、まさにその理念を体現していた。世代を超え、立場を超え、同じ食卓を囲んで笑顔を分かち合う。それが、地域食堂の真の魅力なのだろう。

「また来月も開催します」

伊藤さんの言葉に、参加者からは歓声が上がった。「楽しみにしています」「次も参加します」

田原の地域食堂は、これからも人々のつながりを深め、地域に温かい輪を広げていくに違いない。

串本町を訪れたら、ぜひ田原の地域食堂に足を運んでほしい。美味しい料理と温かい人々が、あなたを待っている。

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