column

砂糖と藍の絆 遠き島と繋がる上板町の250年

砂糖と藍の絆 遠き島と繋がる上板町の250年

沖縄県石垣市から約1400キロ。徳島県の東部に位置する上板町は、人口約2万7千人の小さな町だ。しかしこの町と石垣市の間には、250年以上にわたる深い縁が結ばれていることをご存知だろうか。

「上板町と石垣市の友好提携20周年」

この一見意外な遠距離交流は、実は日本の近代化を支えた砂糖産業と深く関わっている。その歴史を紐解くと、小さな町の大きな誇りが見えてくる。

さとうきび畑から始まった縁

1893年(明治26年)、上板町出身の中川虎之助氏が石垣島の名蔵地区に来島した。当時、石垣島はサトウキビの栽培地として有望視されていたが、製糖技術が未発達だった。

中川氏は製糖技術を伝え、サトウキビの栽培地を開墾。これがきっかけで、多くの徳島県人が石垣島の製糖工場で勤務するようになった。当時の上板町は、製糖技術者の輩出地として知られていたのだ。

中川虎之助氏と製糖技術

戦争と文化協会、そして提携へ

第二次世界大戦中、石垣島に駐屯した徳島県人たちは戦後、故郷に戻り「八重山文化協会」を結成。戦後50年を機に、彼らはゆかりの地である石垣市を訪問するようになった。

そして2000年、両者は「ゆかりのまち提携」を締結。2021年には提携20周年を迎え、上板町から石垣市にモニュメントが寄贈された。新庁舎に設置されたそのモニュメントは、両市町の絆を象徴する存在となっている。

25周年記念式典と新たな交流

2025年7月、上板町技の館で「石垣市・上板町ゆかりのまち提携25周年記念式典」が開催された。当日は石垢市から「石垢市民の翼」と呼ばれる交流団が訪れ、徳島八重山文化協会のメンバーも参加。多くの関係者が両市町のさらなる交流を誓った。

伝統工芸のコラボレーション

記念すべき25周年を祝い、両市町は伝統工芸品によるコラボレーションシャツを製作した。石垢市のミンサー織りと上板町の藍染めによる限定デザインは、両地域の文化が融合した美しい仕上がりだ。

伝統工芸コラボシャツ

上板町の今を訪ねて

上板町は、阿波和三盆糖発祥の地としても知られている。町内には和三盆糖の資料館があり、その歴史と製造工程を学ぶことができる。

また、町内には藍染めの体験施設もあり、400年以上続く徳島の伝統産業に触れることができる。上板町の藍は、石垢市との交流の中で新たな表現を見せているのだ。

遠くて近い絆

1400キロ離れた二つの地域。しかしその絆は、砂糖という甘い結びつきから始まり、今では文化や教育、経済など多岐にわたる交流へと発展している。

上板町の人々は、遠い沖縄の地に自分たちのルーツを感じ、誇りを持っている。石垢市の人々もまた、上板町を第二の故郷として迎え入れている。

この250年にわたる物語は、まだ続いている。これからも二つの地域の交流が、新たな歴史を紡いでいくことだろう。

あなたもこの物語の一部に

上板町を訪れた際は、ぜひ和三盆糖の資料館や藍染め体験施設を訪れてほしい。そして石垢市との深い縁を感じ取ってほしい。

遠く離れた二つの地域が、一つの甘い物語で結ばれている。それが上板町と石垢市の魅力なのだから。

この地域のビジネスデータを見る

📍 上板町の開業ガイドへ

砂糖と藍の絆 遠き島と繋がる上板町の250年 | 上板町のコラム